2009年7月12日日曜日

核の傘

 こちらの「ねぇ知ってたぁ?」で面白い記事を教わったので、今回はこのネタを扱おうと思います。
「核の傘」日米協議へ、月内にも初会合
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090708-OYT1T00028.htm

【ワシントン=飯塚恵子】日米両政府は7日、米国の「核の傘」を巡る両国の協議の場を初めて正式に設け、月内にも初会合を開く方向で検討を始めた。

 複数の日米関係筋が明らかにした。外務、防衛両省と米国務省、国防総省の局次長・審議官級の枠組みとする方向で、協議では、有事の際の核兵器の具体的な運用に関して日本側が説明を受け、オバマ大統領が目指す大幅な核軍縮と核抑止の整合性などを話し合う。
 日本に対する「核の傘」は、日米安全保障条約に基づき、米国が保有する核兵器によって日本に対する第三国からの核攻撃を抑止する仕組みだ。米国は、同様の仕組みを持つ北大西洋条約機構(NATO)諸国とは、有事の際の核兵器の運用や手順などの具体的な情報を共有している。
 これに対し、唯一の被爆国である日本では、国民に核兵器への抵抗感が強く、運用について協議すれば、野党などから強い反発が出る状況だった。また、米側には日本の機密漏洩(ろうえい)への懸念も根強く、日米間ではほとんど議題に上らなかった。
 しかし、北朝鮮が5月に2回目の核実験を行い、中国も核戦力の近代化を進めるなど、東アジアの安全保障環境は不安定さを増している。米韓両国は6月、米国による「核の傘」の韓国への提供を明記する首脳合意文書を交わした。日本政府でも「核の傘」の有用性を再確認し、米側から運用の具体的説明を受けるべきだとの声が高まっていた。
 一方、米側では、オバマ大統領が4月、究極の目標として「核兵器のない世界」を目指す考えを表明した。今月6日のロシアとの協議では、12月に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新たな取り組みとして、核弾頭配備数を双方が最低レベルで1500個まで大幅削減することで合意した。
 新方針は、オバマ政権が12月にまとめる、米史上3回目の「核戦力体制見直し(NPR)」に反映される予定だ。日本としてはこの時期までに、有事に備えた「日米共同作戦計画」に核兵器使用がどう組み込まれているかなど運用について説明を受けたうえで、日本側の要望を伝える考えだ。NPRの全容は非公開で、協議内容も基本的には公表されない見通しだ。

 ようやく日本の有事におけるアメリカの核の具体的な運用について話し合われるようです。日米が共に同盟国としての責務を果たしていけるように有意義な会談になることを祈ります。オバマUSAがへたれないように日本政府には頑張って頂きましょうw

 先日、日本人の天野之弥氏がIAEAの事務局長に選任されたわけですが、(「核兵器拡大を全力で阻止」IAEA事務局長に当選の天野氏)ここのところ極東における核に関わる動きが活発化しておりますね。
【サミット】北問題「一層緊密に協力」 日米首脳が一致
中国・新疆の情勢で懸念を共有 日米外相が電話会談(北朝鮮問題への取組についても言及されております)

 共同通信によると今回の会合には「今回の協議では米側の核攻撃能力や軍事力展開に踏み込んで話し合う予定。オバマ政権が進める核軍縮と核抑止力の維持の整合性も詰める。米の最新鋭戦闘機F22の輸出の可能性や宇宙利用、サイバー攻撃対策も検討項目の候補に挙がる。」とのことです。
 朝鮮半島以外も反応しそうですね、名前はわざわざ挙げませんが。

 安倍首相から麻生首相に至るまでの日本政府の奮闘ぶりには心からエールを送りたくなります。

 最後に、G8後の内外記者会見での麻生首相の発言から北朝鮮に関わる部分を。
 --イタリアと日本は長い間、良好で親密な関係を持っており、それを拡大しようとしている。北朝鮮とは2002年以降、国交を結んでいる。これを踏まえてちょっと質問したい。北朝鮮問題について。このイランについて、G8の政治声明の中には、タイムリミットが言及されているが、北朝鮮にはタイムリミットというものは全然言及されていない。北朝鮮に対してもタイムリミットを設定する必要があるか聞きたい。もう一つ。議長国であるイタリアの役割について、北朝鮮の核問題については、イタリアに対してどういう具体的な期待をしているか。最後、北朝鮮の後継の問題について特別な情報があれば教えてほしい
 「どこで日本語勉強したんです。うまいですね。日本の新聞社の方よりうまいかもしれん。自信もったほういいです」
 「北朝鮮のミサイル発射は、日本だけではなくて、明らかに国際社会の平和とか安全というものに対する重大な脅威であって、断じて容認できることはありません。これは国際社会が一致して北朝鮮の核の保有、またミサイルの開発は認めないというメッセージを発することが重要と。その観点から今回出されたG8の文書は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決を目指す日本にとり、評価のできる内容だったと私自身は思います。このような声明をとりまとめていただいた議長国のイタリア・ベルルスコーニ議長の役割を評価しております」
 「今後は国際社会が一致した安保理決議1874というものをしっかり実施して、北朝鮮に対し、この安保理決議違反の行為は対価が伴うということをはっきり理解させる必要があると思っております。少なくともイランというのはまだ核実験を行ったわけではありません。北朝鮮は2回行っている。しかも日本が射程距離届くノドンというのをいくつも発射実験をしております。これが脅威でなくてなんです」
 「あなたがいわれたようにイタリアと北朝鮮は2000年から、21世紀から外交関係にあります。国際的な社会で主導的な立場にあるイタリアが北朝鮮に対して、この問題の解決に向けて積極的に働きかけを行ってくれるというのは、われわれとしても期待しているところです。いずれにしても、国際社会のこういう懸念、意志っていうものをはっきり認識して、6者会合というものの共同声明の完全実施に向けて、具体的な行動をとっていくということが必要だと思っております」

0 件のコメント:

コメントを投稿